

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』に登場したオリジナルキャラクター、ジュリオ・ガンディーニはpixivで爆発的な人気を獲得しています。2024年8月2日の映画公開後、瞬く間にファンアートや二次創作小説が投稿され、現在では253件のイラストと162件の小説作品が公開されている状況です。
参考)https://www.pixiv.net/tags/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8B
映画のオリジナルキャラクターでありながら、これほどの投稿数を誇る背景には、ジュリオの持つ魅力的な設定とビジュアルデザインがあります。pixivでは彼を題材にしたファンアートだけでなく、アンナ・シェルビーノとのカップリング作品や夢小説など、多様なジャンルの創作活動が活発に行われています。
特にジュリオの外見的特徴である赤髪、眼帯、義手義足というビジュアル要素は、イラストレーターたちの創作意欲を強く刺激しており、様々なアートスタイルで描かれた作品が投稿され続けています。SNSでも「ジュリオ癖すぎる」「沼にハマった」といった声が多数見られ、二次創作の題材として非常に人気が高いキャラクターとなっています。
参考)https://www.pixiv.net/artworks/121121522
pixiv百科事典には、ジュリオ・ガンディーニの詳細なプロフィールと物語における役割が丁寧にまとめられています。誕生日は2月25日、身長176cm、個性は「因子相殺」という基本情報から、シェルビーノ家に仕える執事としての経歴まで網羅的に記載されています。
百科事典の記述によれば、ジュリオは濃い目の赤髪と翠眼を持ち、右眼には眼帯を着けており、その下には義眼があることが明らかにされています。右腕は専用バイクのコントロールパネルも兼ねた義手で銃にも変形可能、左足も義足というサイボーグ化された身体を持っています。
この百科事典ページには、ジュリオとアンナ・シェルビーノの過去の物語も詳細に記載されており、なぜジュリオがアンナを殺そうとしていたのか、そして最終的にどのように彼女を救ったのかという映画の核心部分が解説されています。元々スラム街の孤児だったジュリオが、個性「因子相殺」を評価されてシェルビーノ家に迎えられ、アンナの個性暴走を抑える唯一の存在となった経緯が丁寧に説明されています。
百科事典では、ゴリーニファミリーの襲撃によってジュリオが右眼、右腕、左足を失い、アンナとの「私が私でいられる内に殺して」という約束を果たすために彼女を追っていたという重要な背景が記されています。最終的にデクたちとの出会いを通じて、ジュリオは「アンナを生かして救う」決意を固め、土壇場でアンナの個性と適合して因子相殺を発動させ、彼女を救うことに成功したというクライマックスも詳しく描写されています。
ジュリオ・ガンディーニのイラストがpixivで人気を集める最大の理由は、彼の持つ「属性のフルコース」とも言える魅力的なビジュアル要素にあります。赤髪、眼帯、義手、義眼、義足、ギザ歯、泣きぼくろ、そして燕尾服の執事スタイルという、オタク心を刺激する要素が一人のキャラクターに集約されています。
特に義手義足のサイボーグ要素は、イラストレーターにとって描きがいのあるデザイン要素となっています。右腕の義手は銃に変形可能な戦闘用装備であり、左足の義足にはブースター機能が搭載されているなど、メカニカルなデザインが細部まで作り込まれています。こうした複雑なデザインは、イラスト制作において技術的なチャレンジとなり、多くのアーティストが独自の解釈で描いています。
参考)https://xfolio.jp/portfolio/foxbell/works/1144239?search_words=%22CP%E3%81%AA%E3%81%97%22+in%3A%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96
加えて、ジュリオの二面性も人気の要因です。普段は冷静沈着で丁寧な言動を見せる執事でありながら、感情が高ぶると粗暴な素の部分が垣間見えるというギャップは、イラスト表現においても様々なシチュエーションを生み出しています。デクたちに対して「ヒーローのガキ様」と皮肉を言う場面や、アンナへの深い忠誠心を示す場面など、表情豊かなシーンが多数あることもイラスト制作の題材として魅力的です。
参考)https://x.com/1881FA_cimon/status/1956205799304519756
声優が宮野真守であることも、ファンアート制作の動機を高めています。宮野真守は『DEATH NOTE』の夜神月や『文豪ストレイドッグス』の太宰治など、人気キャラクターを多数演じてきた実績があり、彼の演じるキャラクターには熱心なファンコミュニティが形成されやすい傾向があります。ジュリオのキャラクター性と宮野真守の演技が相まって、二次創作の裾野が広がっている状況です。
参考)『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』…
ジュリオ・ガンディーニの「執事」という設定は、彼のキャラクター性を際立たせる重要な要素となっています。資産家シェルビーノ家に仕える執事として、主人であるアンナ・シェルビーノへの深い忠誠心と献身的な姿勢を示す一方、実際には孤児出身という出自を持ち、アンナの個性「過剰変容」の暴走を抑えるという特殊な役割を担っていました。
執事としてのジュリオの魅力は、その完璧な振る舞いと内に秘めた感情の対比にあります。燕尾服に身を包み、丁寧な言葉遣いで接する表面的な姿の裏には、スラム街で育った過去の荒々しさが潜んでおり、感情が高ぶるとその本性が垣間見えます。この二重性は、執事というフォーマルな職業設定があるからこそより際立っており、ギャップ萌えの要素として機能しています。
アンナとの関係性も、執事設定によって深みを増しています。表向きは主従関係でありながら、実際には互いを深く想い合う特別な絆で結ばれており、物語終盤では「主従」から「対等な関係」へと変化していきます。ジュリオにとってアンナは「自分に役割を与えてくれた大切な存在」であり、アンナにとってジュリオは「かけがえのない恩人」という相互依存の関係性が、執事という枠組みを通して描かれています。
さらに、執事としての実務能力の高さも見逃せません。義手に仕込まれた銃器を駆使した戦闘能力、専用バイクの操縦技術、右眼の義眼に搭載されたカメラアイによる自動操縦機能など、執事としての表の顔とは裏腹に高度な戦闘スキルを持つという設定が、キャラクターの多面性を生み出しています。この「執事でありながら戦士」という二重性は、二次創作においても様々な展開の可能性を提供しています。
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ジュリオ・ガンディーニの個性「因子相殺」は、右手で触れた相手の個性因子を自らの個性因子で相殺・消滅させる能力です。一見すると相手エラザーヘッドの「抹消」の下位互換のように思えますが、この個性こそがアンナ・シェルビーノを救う唯一の鍵となっていました。
アンナの個性「過剰変容」は、触れた相手に個性因子を流し込んで対象の個性を強化する強力な能力ですが、同時にアンナの体内で因子が発作的に増加し、暴走を引き起こすという致命的なデメリットを持っています。ジュリオの「因子相殺」は、この増加した因子を消滅させることで暴走を防ぐことができる唯一の個性だったのです。
ジュリオ本人は当初、自分の個性を「役にも立たない個性」と考えていましたが、アンナの父親がその真価を見抜き、彼をシェルビーノ家の執事として迎え入れました。これによりアンナは普通の生活を取り戻すことができ、ジュリオにとってもアンナは自分に居場所を与えてくれた存在となりました。
しかし、ゴリーニファミリーの襲撃によってジュリオは個性発動の起点となる右腕を失ってしまいます。義手となった右腕では個性を発動できず、アンナの暴走を止める手段を失ったジュリオは、彼女との約束を果たすため「殺害」を決意せざるを得ない状況に追い込まれました。
物語のクライマックスでは、土壇場でアンナの個性がジュリオの個性と適合し、「因子相殺」が再び発動するという奇跡が起こります。この展開は、二人の絆の深さと、個性の本質が単なる能力ではなく心と心のつながりによって機能することを示す重要なシーンとなっています。個性を失ったと思われたジュリオが、アンナへの想いによって再び個性を発動させる瞬間は、多くのファンの心を捉え、二次創作の題材としても頻繁に取り上げられています。
ジュリオ・ガンディーニを題材とした二次創作は、映画公開直後から爆発的に増加し、現在もpixivを中心に活発な創作活動が続いています。特に人気が高いのは、アンナ・シェルビーノとのカップリング作品で、「ジュリアン」というカップリング名で多数の作品が投稿されています。
参考)https://www.pixiv.net/artworks/121597058
二次創作のジャンルは多岐にわたり、映画の前日譚や後日譚を描いた小説、IF展開を描いた作品、夢小説など様々な形式が見られます。特に映画では語られなかったジュリオとアンナの過去、シェルビーノ家で過ごした幸せな日々、そしてゴリーニファミリーの襲撃によって全てを失った後のジュリオの心情を掘り下げた作品が人気を集めています。
pixivに投稿されている小説作品には、「spine della rosa」(薔薇の棘)というタイトルで、アンナへの想いだけがジュリオの胸を痛める様子をイタリア語のモチーフで表現した作品や、「夢のまた夢で会いましょう」というシリーズ作品など、完成度の高い二次創作が多数存在します。これらの作品は、映画本編では描き切れなかったキャラクターの内面や感情の機微を丁寧に描写しており、ファンからの高い評価を得ています。
夢小説も人気ジャンルの一つで、「アンナの妹に転生した夢主」や「シェルビーノ家のメイド」など、オリジナルキャラクターとジュリオの関係性を描いた作品が投稿されています。これらの作品では、ジュリオの持つ「執事」「義手義足」「眼帯」といった属性を活かしたストーリー展開が見られ、独自の魅力を放っています。
参考)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22735721
イラストにおいても、戦闘シーンを描いた動的な作品から、アンナとの穏やかな日常を描いた作品まで幅広いバリエーションが存在します。特にジュリオの義手義足のメカニカルなデザインを精密に描き込んだ作品や、眼帯を外した義眼の描写に挑戦した作品など、技術的に高度なイラストも多数投稿されており、創作者たちの熱意が伺えます。
参考)https://www.pixiv.net/artworks/121496418
SNSでは「ジュリオ沼にハマった」「すぐにでも同人誌を作りたい」といった声が多数見られ、映画公開から時間が経過した現在でも新規の創作者が増え続けています。ヒロアカという人気作品のオリジナルキャラクターでありながら、ここまでの二次創作コミュニティが形成されているのは、ジュリオというキャラクターの持つ多面的な魅力と、映画で描かれた物語の深さによるものと言えるでしょう。