

初代継承者は死柄木与一で、オール・フォー・ワンの実の弟です。与一はもともと「個性を譲渡する」個性を持っていましたが、それ単体では機能しないため無個性だと思われていました。しかし、兄であるオール・フォー・ワンから強制的に「力をストックする」個性を与えられたことで、2つの個性が融合しワン・フォー・オールが誕生しました。
参考)https://hisui-blog1227.com/hiroaka-oneforall/
体が弱く小柄な青年だった与一は、オール・フォー・ワンによって幽閉されていましたが、2代目継承者率いる対抗勢力に救出されます。彼は最後までオール・フォー・ワンの支配を否定し続け、平和な世界を願って個性を次世代へ託しました。
参考)https://www.ticket.co.jp/entx/entertainment/oneforall-history/
初代の個性は「個性の譲渡」と「力のストック」の2つが基盤となっており、この組み合わせによってワン・フォー・オールは代々受け継がれるごとに強化されていく特性を持つようになりました。
参考)https://animesukisuki.hateblo.jp/entry/oneforall
2代目継承者・駆藤
2代目は駆藤(くどう)という名前で、オール・フォー・ワンに対抗する組織のリーダーでした。赤みがかったオレンジ色の髪と顔の大きな傷が特徴的で、その風貌は爆豪勝己に似ていると言われています。
参考)https://anime-topic.com/archives/5021
駆藤の個性は「変速」で、触れたものの速度を自在に変えることができます。デクが使用する際には、一撃ごとに速度が上がっていき、2速(セカンド)、3速(サード)、4速(トップ)、5速(オーバードライブ)と段階的に加速します。音が後から追いついてくるほどの超高速攻撃が可能で、慣性の法則を無視した急加速も実現できます。
参考)https://anime-topic.com/archives/5018
3代目継承者・ブルース
3代目はブルースという名前で、水色の髪を一つに束ね、額に太いバンダナを巻いた青年です。2代目とともにオール・フォー・ワン対抗勢力の一員として戦い続けました。
参考)https://ciatr.jp/topics/317912
個性は「発勁(はっけい)」で、スクワットなどの一定の動作を繰り返して運動エネルギーを蓄積し、そのエネルギーを少ない動きで一気に放出します。デクはOFA出力45%と発勁を組み合わせることで、一時的にOFA出力100%の状態で動くことができますが、並列処理が難しく実戦での使用には高度な技術が必要です。
4代目継承者・四ノ森避影
4代目は四ノ森避影(しのもり ひかげ)という名前で、顔に大きなヒビがありボサボサのグレーヘアーが特徴です。18年間ワン・フォー・オールを保持し続けましたが、個性の許容量を超え続けた結果、40歳という若さで老衰により他界しました。このことから、個性保持者がワン・フォー・オールを継承すると寿命が縮む可能性が示唆されています。
個性は「危機感知」で、個性を保持する人が危機に瀕した際に素早く感知できます。この個性は相手から向けられた敵意に反応するため、悪意のない攻撃には反応しないという特性があります。
5代目継承者・万縄大悟郎(ラリアット)
5代目は万縄大悟郎(ばんじょう だいごろう)で、通称ラリアットと呼ばれるプロヒーローでした。陽気な性格でスキンヘッドが特徴的な人物です。
個性は「黒鞭」で、体から黒い鞭状のエネルギーを生成し、攻撃や移動、相手を拘束するなど多様な用途に使用できます。デクが初めて発現させた歴代継承者の個性でもあり、A組対B組の対抗戦中に突然覚醒しました。この個性によってデクは相手の動きを封じたり、高速移動が可能になりました。
参考)https://chixitaburogu.com/midoriya-growth/
6代目継承者・揺蕩井煙(ガエン)
6代目は揺蕩井煙(たゆたい えん)で、通称ガエンと呼ばれるプロヒーローです。口元まで覆われた服装が特徴的で、5代目を「先輩」と呼んでいます。
個性は「煙幕」で、体から大量の煙を発生させて視界を遮ることができます。この個性は戦闘時に敵の視界を奪ったり、逃走時の目くらましとして有効に機能します。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB
7代目継承者・志村菜奈
7代目は志村菜奈(しむら なな)で、オールマイトの師匠であり、相澤先生の幼馴染でもあります。彼女はオール・フォー・ワンとの戦いで命を落としましたが、その意志はオールマイトへと受け継がれました。
個性は「浮遊」で、空中に浮くことができます。ワン・フォー・オールによって個性がパワーアップしたことで、自身だけでなく周囲の人物も浮かせられるようになっています。デクは死柄木弔との激戦中にこの個性を覚醒させ、空中戦での機動力が大幅に向上しました。
参考)https://geleemix-puz.com/hiroaka-deku-kosei/
8代目継承者・オールマイト(八木俊典)
8代目は平和の象徴として知られるオールマイトです。本名は八木俊典で、師匠である志村菜奈からワン・フォー・オールを継承しました。
オールマイトは生まれつき無個性でしたが、体を鍛え上げてワン・フォー・オールを継承するに値する状態になりました。無個性だったため、継承前に持っていた個性はありませんが、ワン・フォー・オールの力を完璧に使いこなし、「平和の象徴」として社会に多大な影響を与えました。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%88
興味深いことに、オールマイトは歴代継承者の個性を使うことができませんでした。これは彼が無個性だったことが理由の一つとされており、デクが複数の個性を発現できたのは、ワン・フォー・オールが個性特異点に達したためだと説明されています。
参考)https://www.reddit.com/r/BokuNoHeroAcademia/comments/18fvvv3/whats_the_explanation_for_midoriya_being_able_to/
9代目継承者・緑谷出久(デク)
9代目は本作の主人公である緑谷出久、通称デクです。彼もオールマイトと同様に生まれつき無個性でしたが、ヒーローを志す強い意志をオールマイトに認められ、ワン・フォー・オールを継承しました。
参考)https://heroaca.com/character/chara_group01/01-01/
デクはオールマイトと異なり、歴代継承者の個性を次々と覚醒させていきます。当初は力の制御に苦労しましたが、訓練と仲間たちの支えによって成長し、黒鞭、浮遊、危機感知、煙幕、発勁、変速といった6つの個性を発現させました。これらの個性を戦況に応じて使い分けることで、デクは戦略的な戦い方を確立しました。
ワン・フォー・オールが複数の個性を発現できるようになった理由は、「個性特異点」と呼ばれる現象に関係しています。個性特異点とは、個性が人体の限界を超える臨界点を指し、強すぎる個性が持ち主である人類の制御を離れ、その心身を破壊する可能性がある状態です。
参考)https://www.reddit.com/r/BokuNoHeroAcademia/comments/sbyn2r/the_quirk_singularity/
ワン・フォー・オールは9代に渡って力を培い成長してきたため、個性特異点に達し、歴代継承者の個性が顕在化するようになりました。初代継承者の与一は、すでにこの特異点の存在に気付いており、将来的に個性が制御不能になる危険性を予見していました。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%B3
継承には深刻なリスクも伴います。4代目の四ノ森避影は40歳で老衰により死亡しており、個性保持者がワン・フォー・オールを継承すると寿命が縮む可能性が示されています。特に強力になったワン・フォー・オールは、若者に継承しても即死しかねないリスクすら孕んでいます。
参考)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10271637075
デクが複数の個性を並行処理する際には、維持が難しくなる場面もあります。しかし、無個性だったからこそ、オールマイトが築いた土台が完璧にハマり、そのポテンシャルを最大限に発揮できるようになったとも言えます。
参考)https://www.reddit.com/r/MyHeroAcadamia/comments/14yyuix/why_couldnt_all_might_use_the_past_successors_of/
ワン・フォー・オールの本質は「能力を育て上げて次世代に渡す」ことにあります。初代の与一から始まり、9代にわたって聖火のごとく引き継がれてきたこの個性は、単なる力の継承ではなく、正義と平和への想いを託すものです。
参考)https://mangaanimeblog.com/my-hero-academia-one-for-all-successive-successors/
各継承者は異なる時代を生き、個性を持つ者と持たない者が混在していましたが、共通していたのはオール・フォー・ワンを打倒するという決意でした。2代目の駆藤と3代目のブルースは、オール・フォー・ワンの最盛期に対抗勢力を組織し、与一を救出しました。その後の継承者たちも、それぞれの時代で平和のために戦い続けてきました。
参考)https://trend-jiji-sidejob.com/heroacadeku-personality-six/
歴代継承者の意識はワン・フォー・オール内に残っており、デクに助言を与えることがあります。特に2代目は当初、死柄木弔を救おうとするデクの考えに反発していましたが、与一からの説得もあり、最終的にはデクに全てを委ね協力することを決めました。
デクは歴代継承者たちの想いを背負い、個性の使い分けという新しい戦闘スタイルを確立することで、ワン・フォー・オールを新たな高みへと引き上げています。当初は力のパワーに頼っていたデクですが、異能解放軍戦を経て「技術」で戦うスタイルへと成長し、100%の力を使わなくても戦えるようになりました。
参考)https://zundad.com/hero-academia-deku-strength/
ワン・フォー・オールは継承されるたびに強化されていきますが、それは単なる力の増幅ではなく、歴代継承者たちの経験と想いが積み重なっていくプロセスでもあります。9代目となったデクがこの個性をどのように使い、どのような未来を切り開いていくのか、物語は最終局面へと向かっています。